組織内会計士の日常

組織内会計士の日常を綴っています。

一括りにはできない経営企画の世界

同じく組織内会計士で経営企画(以下「経企」と略称)で働いている人たちと新年会してたんですが、そこで盛り上がった話です。

 

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経営企画といっても2種類の仕事が存在します。

一つは、実際に事業を行う人たちをサポートするお仕事です。

いわゆる事業部付といわれる経企ですね。本社の管理部門という位置付けではなく、事業を行う営業やマーケティング、商品企画部門の人たちと一緒になって事業を推進していく立場であり、どうやって事業を成長させていくのか、そのために必要な投資は何なのか、どうやったらよいその成長を更に加速させられるのかといった視点でのサポートが求められるような仕事です。

 

もう一つは、いわゆるコーポレートといわれる本社の経企です。これについては経理における連結決算担当のようなイメージだと思われます。子会社と密に連携をとって連結決算をまとめる本社経理部のように、個々の事業をサポートをする経企の人たちとコミュニケーションを図りながら、事業計画や予算をまとめたりして、本社全体の事業ポートフォリオの管理や戦略を検討する役割です。

 

求められるものも全く異なります。

前者のほうですが、実際に営業経験がなかったり、商品の企画経験がないにも拘わらず、そういう人たちをサポートをするというのはなかなか難しいことです。ただ一緒に事業を推進していく楽しさであったり、プロジェクトを達成したときに共有できる喜びはこの仕事ならではのものです。

もちろん経営企画として、止めるべきプロジェクトは止め、採算性の悪いものを切り、利益を改善させていくという点も求められ、事業を実際に行う人達とは相反する立場になることが多々あります。従って上手く折衝を避けつつ、やるべきことをこなしてくためには、高いコミュニケーション能力が求められることが多い仕事でもあります。

 

では後者の方が簡単かといえばそんなこともありません。事業部間で整合した事業計画や予算を作るというのもなかなか難しい仕事です。例えば…

  • 予算における事業部間取引に整合性が取れているのか
  • 予算の前提が過度に楽観的/悲観的ではないか
  • 提出された事業計画に対して、適切なチャレンジができるのかどうか
  • 統合された事業計画は個別戦略の合算ではなく最適化された一つの戦略にまとまっているのか

といった点を検討する必要があり、これらができるようになることはなかなか難しいと考えています。

 

後者のほうがやや事業から遠い立ち位置にいるのですが、前者と同様にビジネスがどう回っていくのかを理解している必要があります。

また、統合化された戦略を実行していくにあたって、適切な経営資源を全社レベルで配分していくことを考えると、その視点は一つのビジネスを任された事業部長/部門長というより、社長の目線です。そういう意味では早くからこういうポジションを体験できることは非常に良いのではないかと思います。

 

キャリアパスとしては事業部付→本社が良いのでは?

キャリアパスのおすすめとしては、事業部付を一つか二つ経験した後に本社型の経企を経験することが良いのではないかと思っています。なぜならば、逆のパターンになれば自分自身がそもそも策定したこともない事業計画について、適切なレビューを行うことや取りまとめをするのは、難易度がかなり高いです。

加えて、事業から遠い立場ではあるものの(=事業部付の人よりも事業に対する経験や知識がないものの)、それぞれの事業部門が提出した事業計画が過度に楽観的/悲観的ではないかについて確認する必要があります。

貴賤ではありませんが、本社の経企のほうが難易度が高く、それ故に初めはビジネスに近いところで経企の仕事を始めるのが良いのではないかと思いました。

 

 

kurorogucpa.hatenablog.com

 

 

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会計士が事業会社の内部監査室へ転職して驚くこと

今日は会計士が内部監査室に転職して驚くことについて書いていきたいと思います会計士が転職して驚くことシリーズの第3弾になります。 

ちなみに、今回は私自身の経験ではなく一緒のチームで働いてて思うことをまとめています。

 

kurorogucpa.hatenablog.com

 

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想像以上に相談・検討事項が多いこと

外部の会計監査人として監査を行っていると、その範囲は財務諸表に関するところが主になりますが、実際に企業の中で行われている不正であり、不正の予兆となるものは財務諸表に関連しないものも含まれます。

 

そのため、会計監査で経験している以上に、日頃からより多くの相談が内部監査室へ寄せられます。起こってしまった事象に対する事後対処方法を相談する場合もあれば、以前の予防策を相談されるケースもあります。

 

都度個別に対処が必要となるので、柔軟性の高い対応が求められるのも内部監査室ので求められる気質の一つではないかと思います。

対象は会計に限らないし、会計に関連しない問題も結構多い

前述したように、二点目は、会計以外の問題も部署として対応することがあるということです。どの企業も同じかもしれませんが、昨今、特に力を入れているのが品質問題とハラスメントの問題です。

 

前者についてはプロセスや検収での不正が見つかったことがニュースが大きく影響しており、製造業や有形の製品を扱う業界においてはかなり気にしているところです。後者の方は、様々なハラスメントが行われていないかどうか、適正な残業代を払っているのかどうかなど、主に人に対する懸念であり、ほとんどの企業が検討する必要があると考えています。

 

ニュースになると、社内で話しやすいのかそういう相談が増えるようです。形の変化はあれど、メディアの力を感じます。

監査するだけでは終わらない

これまた難しいところですが、仕事というのは分析をしただけでは何も始まりませんし、計画を立てるところで終わりでもありません。分析を行い、計画を立てて、実行し結果を出すところまでが求められています。 

経理部門と経営企画部門と同じです。やはり分析してコメントすること、それ自体は仕事ではありません。

 

もちろんどういう相談を受けるか、どういう案件を扱うかにもよりますが、基本的には分析してコメントするだけが内部監査室の仕事ではなく、目の前で起こっている事象に対して今どのような対応をするのが最も正しいコンプライアンスのあり方なのか、あるいは、今後同じことを引き起こさないために、どのような体制を全社的に整理すべきなのかという点について検討することが重要です。たとえ、実行する権限自体が内部監査室になかったとしても、その方法を提案することは内部監査室の役目と考えています。

転職先としてどうか?

会計監査を経験した方が直接内部監査室に転職するケースは少ないと思います。ただ、一般的に、この仕事の魅力は、業務量などが比較的緩やかであるということです。

 

時短勤務の方にとっては特に働きやすい職場ではないでしょうか。突発的なことが起こることも多々ある部署ですが、それでも経理や経営企画よりは時間の調整が非常にしやすい印象を持っています。働き方改革の流れに乗った会計士業界でも内部監査室への転職は今後増えていきそうだと思います。

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今年は読みやすい良質な文章を心掛けます

今年のテーマの一つが読みやすい文章を書くです。

 

去年後半から仕事で大量の文章を書くことをが多く、また他人が書いた文章をレビューして修正する仕事も行っています。

そのため、良い文章とはどういうことなのかについてに考える機会が多くなってきました。今年は、このような本を読んで良い文章の書き方を日々学んでいきたいと思っています。 

「わかりやすい」文章を書く全技術100

「わかりやすい」文章を書く全技術100

 

 学習教材として何がいいのかといえば、このブログが一番だと思います。新規の記事もそうですが、過去の記事のリライトを検討することも良い文章を磨いていくのには、良いのではないかと考えています。

 

今年は、目標としてブログの更新を週二本以上はおこなっていきます。

 

あの仕事はどこへ行く?今年の会計士業界の仕事事情と来年の見通し<2017年度版・後編>

2017年もあとわずか、残り数時間となりました。

前編では会計監査とIFRSについてまとめましたが、後編ではアドバイザリー・コンサルティング業務とその他について整理していきたいと思います。

kurorogucpa.hatenablog.com

M&Aは晴れ 、特に事業承継は来年も晴れ

アドバイザリー業務全般については2017年も引き続き絶好調でした。特にM&Aを中心とする業務においては、2017年の後半あたりからは大々的に事情承継の話が出てくるようになり会計事務所以外でもこのようなマッチングサービスを展開する企業が増えてきました。ビズリーチに代表されるように、人材系サービスを扱う企業においては、このような流れが引き続き国内外で出てくるのではないかと思います。

www.businessinsider.jp

 

br-succeed.jp

 

同じようなタイミングで、会計士協会もこの流れに乗った案内を出しています。

www.hp.jicpa.or.jp

 

マッチング事業と点では、かなりニーズの高い領域であり、かつ、会計士でなくても人材系の事業を行っていれば参入しやすいため、これから競争が激化していきそうです。個人で独立されている会計士や中小の会計事務所の人でこの領域を得意とする人にとっては、今年はウハウハの年だったようです。

M&Aに限らず、こういう特需のような恩恵にあずかれるのは、以前からこの分野で仕事をしていて、今年のような大豊作の年が来たときに刈りとれるスキルと経験を貯めていた人であって、今から参入するのはオススメしません。美味しい部分を食べられるのはファーストペンギンだけなのです。

 

とにもかくにも、現状、FAS系の仕事は全般的に人手不足です。ただその中でも、エッジの効いたFAS×αのスキルセットがあれば、今後もある程度は生き残っていけると思います。

cpa-navi.com 

kurorogucpa.hatenablog.com

 

リスクマネジメントは曇りから晴れへ 、来年は??

少し規模の大きな企業向けのサービスに話を戻します。どのようなアドバイザリーのサービスが今年顕著だったかと言えば、やはり一番はリスクマネジメントの分野であったかと思います。

三菱マテリアル東レ商工中金神戸製鋼所など会計に限らず、不正が発覚した企業が多く、またそれに対応する仕事の受注も一時的ではあるもののかなり増えたと認識しています。

果たして2018年も同じような企業が続出するのか若干不透明なところではありますが、潜在的な需要は間違いなく大きいと考えています。やはりこのような特需といわれる大きな案件は、社会として非常に大きなインパクト残していきそうです。

ただし、それが表面に出てこない限りは需要が発生しないという点では、同じ売り方だと継続的な収益は見込めないのではないかと思います。2018年は売り方の再考が必要です。

その他のトレンド

その他の仕事関連といえば、マネーフォワードが今年上場しました。クラウド系会計ソフト市場は大きくなっていますが、その評価は千差万別です。私もfreee使っていましたが、なかなかリーチ出来ていない機能もあり、今後の改善に期待です。

 

2016年の途中に言われていた医療法人への会計監査については、今のところ主だった動きは聞こえてきません。関与した話は聞いたのですが、報酬面やレバレッジなどを考えて、サービス展開が難しいようです。大手についても、医療法人向けのページを用意しているのはEYだけでしたね。

www.eyjapan.jp

終わりに

ブロックチェーンや仮想通貨も今年後半からのトレンドで、来年も引き続き大きな話題を呼びそうです。ただ、もう一回書くと、今から参入して良い局面なのかは再考する必要があります。誰かが美味しそうにしているのを見て、自分も!飛び込んでみたら皿は空っぽだったということは多々あります。トレンドは追いかけるものではなくて、先読みするものとして捉えていきたいと思います。

日経トレンディ1月号増刊 2018年 ヒット大予測

日経トレンディ1月号増刊 2018年 ヒット大予測

 

今年もお世話になりました。来年もよろしくお願い致します。

 

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あの仕事はどこへ行く?今年の会計士業界の仕事事情と来年の見通し<2017年度版・前編>

2017年もあとわずかとなりました。

今年も色んなニュースがありました。年に一度ぐらいは自分のキャリアの棚卸も兼ねて、今年の会計士業界を取り巻く仕事の変遷と来年の見通しはどうなのかについて整理したいと思います。

書いててかなり長くなったので、前編後編に分けます。前編では会計監査とIFRS、後編ではアドバイザリー・コンサルティング業務とその他です。

会計監査業務は引き続き晴れ 、来年もおそらく晴れ

まず初めに、会計士業務のど真ん中、独占業務である会計監査についてです。

仕事増、チャージ増、退職増の三増

会計監査については、ここ数年人手不足の流れがあり、2017年も変わらずの状況でした。最も足りていない層は、スタッフ4年目からシニア2年目ぐらいまでの人たちで現場を任せることができ、かつ、手を動かしてくれる人たちです。2009-2012年半ばぐらいまで続いていた、中々残業がつけられなかった時代とは一変し、普通にチャージできている状況のようで、合格したての人にとっては良いタイミングなのかなと思います。アベイラブルも少なそうなので。

 

大手Big4では人材流出が非常に顕著であり歯止めがかかってない状況です。チャージが可能な反面、やはり仕事量(というより調書量?)が圧倒的に増えており、今年の流行語大賞にノミネートされた働き方改革の流れとは全く逆の労働環境になってきています。

退職した彼ら彼女らはどこにいったのかと言えば、大手の事業会社に加えて、昨今はスタートアップに行ってる方や独立してる方も増えてきているようです。若手会計士の独立が少ないとずっと嘆いてる人がいましたが、昨今は少し風向きが変わってきています。

 

IPOを受けられる半面、人員の調整が難しい中小ファーム

少し視点を変えて中小の監査法人、少人数で監査業を引きうけている人達はどうでしょうか。もともと、こういう規模のところでは、スタッフワークは非常勤でまかなっていることが多く、職員数でいえば、過半数を非常勤が占めることも珍しくありません。

故に固定的費用が大手ほど発生せず、報酬単価の調整もしやすいのが特徴です。

非常勤の働き方については、下記でまとめています。

kurorogucpa.hatenablog.com

 

大手の監査法人IPOに向けた監査を断っている背景から、これらのファームに受注が寄ってきています。そのため、クライアント数は増加しやすいのですが、一方で難しいのは人員の調整です。もともと非常勤の比率が高いうえに、増えてきているのは上場を目指す企業です。当然に、監査資料が出てこないこともあれば、経理担当者に会計の知識がないこともあり、はたまた報酬が契約書通りに払えないなんて話もあります。 

データセンターをはじめとするコストカットによるKAIZEN

そういう環境下で、トーマツがこういうサービスを始めました。付加価値の低い業務を切り離し、賃金のアービトラージで収益改善を図るアプローチです。

diamond.jp

結果の良し悪しはこれからですが、この施策はある意味、報酬増が難しいことの裏返しでもあるのかなと考えました。業界に入ったときに昔話のように何度も聞かされる話ですが、米国との監査報酬の差はいまだ大きく、アベノミクスのような景気が回復してきた局面においても、その差は徐々にでしか埋まってきていません。報酬が一定であれば、収益性を改善するにはコストを切り詰めていくしかないものの、コストカットにも限界があるので、来年の後半にはまた別のトレンドが始まるかもしれません。

 

監査業務については、来年度においても、引き続き、高稼働率が予想されます。

IFRS業務は今年まで晴れ 、来年は若干曇りかも

次に、IFRS関連のアドバイザリー・コンサルティングサービスです。

 IFRSを適用する上場企業は昨年末で100社を超えており、この任意適用増加の背景にはもちろんBig4を中心とする監査法人が地道にアドバイザリー・コンサルティング業務を提供してきたことが背景にあります。ちなみに、2012年末の時点では適用企業数は10社でしたので、2013年から大きく増加してきました。やはり景気が上向いてきたときでないと、こういうサービスにお金が落ちてこないと強く実感します。

適用企業数の増加とは見込み客の減少である

これまで適用済みの企業が100社超ある一方で、すでに何かしらの準備を2017年までに開始している会社も含めるとおそらく300社程度にはなるのではないかと思います。IFRSを適用していない企業は刻一刻と減り続けています。

 

産業別に区切ってみれば、横並びで任意適用の時期を揃えていたりするところもあり、業界内でのプラクティスが出揃ってきているところも多く見受けられます。

 

とは言え、先行しているのは東証一部の上場企業ですので、大手の監査法人がターゲットとするような既存の東証一部の企業ではなく、これらから東証一部への鞍替えを考えている上場企業においてはまだまだ需要がありそうです。

うま味の減少と次の一手

ただし、全体的には、やはり事例が増えてきたことで報酬単価の減少は避けられないのではないかと考えています。上述の産業別の横並び然りです。日本での適用企業数が少なかった時期では、海外の事例をリサーチして、論点を整理して、会計方針に落とし込んだり、基準変更に伴う影響額を算定することは付加価値が高い業務でした。一部ではあるものの、その秘伝のタレも公開され始めると、やはりありがたみが薄れつつあります。端的に言えば、報酬単価減です。

 

先行しているBig4の部隊を中心に既存のサービスをどう変えていくのか、他のサービスとの組み合わせを検討するのか、これまでどおりが厳しくなってきているという意味で少し曇りかなと考えています。

 

 

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更なる睡眠の質の向上に向けて

今年買ったものの中でコスパが良かったのは、下記の記事のものですが、次点になりそうな商品が届きました。

kurorogucpa.hatenablog.com

 

それは睡眠用たわしです。

nelture.com

 

悟空のきもちに行きたいのですが、なかなか予約が取れず数ヶ月前にこちらの商品を注文しました。少し納期の方が早まったようですが、それでも今日発注しても商品の発送は1月下旬から2月下旬とのこと。

goku-nokimochi.com

 

今年流行語大賞のノミネートにもなった睡眠負債ですが、この睡眠洋たわしを導入してから、睡眠の質は上がって眠りがグッと深くなりました。毎年、12月は決算対応や年末の業績着地予想などで結構忙しいので本当に助かりました。出来れば出張の際も持ち歩きたいなと思います。

 

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東京CPA会計学院の実務Excel講座 基礎編(個人向け)に行ってきた話

この前、Excel講座基礎編に行ってきました。

cpa-net.jp

再びExcelを駆使する仕事が増えてきたので、ひたすらショートカットキーや設定をいじっていたのですが、いまいち思ったところまで生産性上がらず、Twitterで話題になっていた講座にむかった次第です。

 

下記受講時の簡易なメモ書きです。

  • 原理原則が非常に重要→ショートカットや機能よりも抑えるべきことがある
  • エクセルの中にある情報をどのように捉えるのか
  • 最善手を考え続けることに意味がある
  • 個人的にはショートカットとかの時間は重要ではなくて、最初の原理原則だけ半日でやってくれると非常に良い

テクニカルな内容ではなくて、上記のメモ書きに残しているように原理原則を理解して最善手を考え続けることが重要だと改めて思いました。

 

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