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組織内会計士の日常

組織内会計士の日常を綴っています。

【今週読んだ本】USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門

マーケティング 書評
どういう視点で本を読むべきか、というのも非常に重要ですが、それ以上に何を読むべきかということが常々重要だと考えています。
 


ゴールデンウィーク中にこういう本を読みました。マーケティングの方に日々お世話になる身として非常に参考になりました。  

概要

一行で書けば、「マーケティングとは何ぞや?」という定義から始まり、どういう仕事がマーケティングに求められているのかという役割と責任、それから出来るマーケターは日々何を考えているのか、どういう視点を持てば一流のマーケターになることができるのか、最後は何故日本にマーケターがもっと必要なのかという主張で締め括っています。
 

とにかく売上を大きくすること   

会社からマ ーケティングに期待される第一の仕事は 、トップライン (売上金額 )を大きく伸ばすことです 。
私はそのためにグレンに雇われました 。
テ ーマパ ークにおけるトップラインの最大の要素である 「集客数 」をどうやって伸ばすのか ?という命題に対して 、明確な指針をすぐに求められたのです 。
入社直後 、私は様々なデ ータを集めながら独自の分析を進めていましたが 、社内の有力者達の考え方を理解することも重視しました 。
なぜだかわかるでしょうか ?私がマ ーケティングの技能を使ってどのような策を生み出そうとも 、結局その策を実行するのは従業員全体だからです。

当たり前すぎなんですが、どんな形であれば売上の最大化を狙っていくことがマーケターの最重要な仕事だと私も考えています。

 

もっと実務に即して考えるならば、マーケターから出される提案の全ては売上の最大化に繋がっている必要があります。頂いた案件について、私も様々な視点で質問することがありますが、見ているのは「施策が売上の最大化に繋がっているのか否か」です。

 

新製品をどのタイミングで出すかとか、どの顧客層を狙っていくとか、価格設定をどうすべきかなんていう細かな点の根拠が全て売上最大化に繋がっているのか、その論理を確認しているに過ぎません。マーケティングが売上を最大化することに責任を負っている以上、Whyを重ねていった先に売上最大化の匂いがしないのであれば、その施策のokを出せないのです。

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HowよりWhatを重視

ビジネスが 「伸びる ・伸びないの本質 」を見極めるのに最も時間と精神力を使わなければなりません 。
そのビジネスを左右する本質である 「衝くべき焦点 」を 「ビジネスのドライバ ー 」と呼びます 。
私が入社直後に確信したのは 、 「 2 0 0 2年の一連の不祥事 」も 「映画のパ ークにこだわってディズニ ーと差別化すること 」も 、 U S Jのビジネス ・ドライバ ーではなかったということです 。
会社の進むべき方向を見極める頭脳としての存在 、企業の軍師ともいうべき 「マ ーケタ ー 」の最初にすべき最重要な役割は 「どう戦うか 」の前に 「どこで戦うか 」を正しく見極めること 。
そして正しい方向へ会社を無理やりにでも引っ張っていくことだと 、私は考えています。
 
これも同意です。華やかな提案を出されると、その内容を精査することに目がいきがちですが、本質的に重要なのはそもそもその提案が必要なのか、なぜその提案の狙いが正しいのかというかという初期の初期の分析という点が何より重要です。
 
この部分は数字を扱う人達(FP&Aや経営企画室の方々)が滅法強い分野なのですが、あまり数字が得意ではないマーケティングの方が苦手とする部分でもあります。最初の蹴りだしを行うマーケティングの方が弱点克服を図る必要もあるのですが、問題設定に無理がないか、分析結果から導き出される仮説に論理破綻はないかという点で数字を扱う人達がサポートするとより良いのではないかと日々考えています。 
 

数字が苦手なマーケターは存在するのか? 

この様なことを書くと、「そもそも数字が苦手なマーケターがいるのか?」という質問を受けそうですが、筆者が触れていた通り、日本に存在する会社のマーケティング力は高くはありません。力量は各社・個々人バラバラですが、マーケティングで過去勝った/今勝っている/これから勝てそうだという会社名がどれだけ思いつくでしょうか。
 
外資としてP&Gがあまりに突出していますが、日本の会社でマーケティングの力で勝ったと堂々といえる企業は少ないと感じています。
 

ブランド価値を図る尺度としての価格

マ ーケティングの重要な仕事の 1つである価格施策をプライシング ( P r i c i n g )と言います 。
マ ーケタ ーにとって 、価格は売上を左右するだけでなく 、顧客からのブランドへの評価そのものになりますから 、どの値に持っていくのかは非常に重要な課題です 。
高い方がいいと言っているわけではありません 。
売上金額は 、個数 (集客数 )と単価 (チケット価格 )の掛け算で決まります 。
価格が高ければ販売個数が落ちることになり 、売上金額が最大化するとは限らないのです 。
マ ーケティングでは 、 1 %の値上げに対して 、何 %売上が減少するかという反応度を分析し 、それを 「価格弾力性 」と呼んでいます 。
値下げして個数を伸ばすことは誰にでもできるのですが 、一流のマ ーケタ ーに要求される仕事は 、値上げしながら個数も伸ばすことです 。
単価と個数の両方を上げて 、会社を往復ビンタで儲けさせることです 。
仮に単価を 2割も上げたうえで 、個数も 2割も伸ばすことに成功すると 、 1 . 2 × 1 . 2 = 1 . 4 4と 、 4 4 %も売上金額を伸ばすことができます 。
 
以前ビックカメラを例にとって価格の話を書きましたが、売上を伸ばしていくうえで重要なのはやはり数量よりも単価です。単価と一口に言っても、一人あたりなのか、一日あたりなのか、一エリアあたりなのか様々な切り口がありますが、重要なのは顧客からのブランドへの評価に訴求することだと思います。 
 

経営資源としてのヒト

会社の中で最も重要な部署はどこか?最重要なのは間違いなく人事部だと思います。
 
あぁ、やっぱりという感じです。
人事部が重要だというメッセージ以上に重要なのは、他の分野、特に経営戦略や人材開発といった視点がを持つことだと考えています。
マーケティングであれファイナンスであれ、やはりその分野のスペシャリストとしての経験・技術が必要ではあるのですが、その分野のスペシャリストがその分野で実力を発揮できるのは当然です。
 
重要なのは、いまの自分から少し離れた視点を持って、自分が所与と考えていた状況をどう変えていくのかという発想だと思います。具体的に、とある製品のマネージャーであれば、 CMOというマーケティングの部署を丸ごと預かる責任者という立場において…
  • 組織をどう変えていくのか
  • 個々人の役割と役割に持たせる定義をどう設定するのか
  • 一人一人の成長をより適切に促していくために何をするべきか
ということを考えていければ、より早く良い役職につけるのではと想像します。
 

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総じてマーケティングの仕事をする人以外の方にもぜひ読んでいただきたい本だと思います。
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