組織内会計士の日常

組織内会計士の日常を綴っています。

日本総研による経営企画部門のアンケート結果が面白い

会社によって大きく機能が異なる経営企画部門のアンケート結果が面白い 。 

www.jri.co.jp

 

 

”調査から得られる示唆”から得られる示唆

特に調査から得られる示唆という要約部分が面白かったので、じっくりと読んでみました。

 

経営企画部門の3大主管業務は、①中期経営計画・ビジョンの策定、設定、管理、②単年度予算の編成・管理、③特命プロジェクト推進である。
ただし、過半数の経営企画部門が「新規事業推進」「組織風土改革」「取締役会等の会議体事務局」「CSR推進」等にも何らかの形で関与しており、経営企画部門の守備範囲は極めて広範かつ多様。

◯経営企画部門の専任部員数は、企業規模(売上規模)の拡大に連れて増員される。例えば、売上高100億円未満では平均2.8名だが、1,000億円~3,000億円では平均8.6名。守備範囲が広範かつ多様であるがゆえに、経営企画部門の課題として5割弱が「人員不足」を挙げ、この傾向は特に3,000億円以上の企業で強い。 

 

確かに事業規模によって人員の増減が起こり得るポジションだと思います。例えば特定のブランドの閉鎖があると、そのブランドにも紐づく営業やオペレーション関連の部署はもちろん、経営企画部の人でさえクローズされる可能性があります。 

 

それしても、この「1,000億円~3,000億円では平均8.6名」というのは、なかなか大変な数字だと思いました。仮に2,000億円の企業を前提とすると、10名で担当していても平均200億円の売上高を見ていることになります。この規模の売上高の上場企業もありますので、担当する経営企画部門の方は相当の責務を負っているものと推測します。

 

経営トップとのコミュニケーションの頻度は重要か? 

◯経営企画部門と経営トップのコミュニケーションの頻度は平均で週1.8回。
毎日コミュニケーションを行っている企業が14.3%存在する一方で、約4社に1社は、経営トップとのコミュニケーションが月に1回以下としており、企業によって経営企画部門の社内での位置付けが大きく異なっている。

◯経営企画部門のありたい姿としては、「経営者の参謀」や「会社の頭脳」が多いが、現状を表す表現では「事務局」「経営者の手足」も多く、理想と現実にギャップがある。

 

週1.8回って多いのか少ないのか実態が掴みにくい数字ですが、記載の通りで経営企画部のあるべき姿と実態が大きく乖離しているケースも多々あると思います。ただ、コミュニケーションの頻度が低いからといって、理想から遠い姿で働いているわけでもなく、逆に頻度が多いからといって、あるべき姿で働いているとも限らないです。

頻度がマチマチだから理想と現実にギャップがあるのではなく、理想と現実にギャップがあるから会社によってコミュニケーションの頻度がマチマチなのかと。

 

事業の成長と経営企画部の成果の関連性 

◯増益傾向の企業と減益傾向の企業を比較すると、経営企画部門の役割への自己評価や課題等で結果に差がみられ、その差から、減益傾向の企業は企画立案やその推進になかなか手をつけられていない現状がうかがえる。
・経営企画部門の役割に関して、増益傾向の企業は「新規事業推進」「ICTの利用推進」「将来を担う経営人材の育成」で役割を果たしているとの自己評価が高い。一方、減益傾向の企業は、「中長期要員計画」「コーポレートガバナンス」「単年 度予算編成」「取締役会等の会議体事務局」が高くなっている。

・経営企画部門の課題としては、増益傾向の企業は「人手不足」を挙げる比率が高く、減益傾向の企業は「経験の不足」「雑務に追われる」「調整役に終始」などが高くなった。さらに、現状を表す表現に関しては、増益傾向の企業は「経営者の参謀」「中長期視点での推進」、減益傾向の企業では「経営者の手足」が相対的に高い傾向がみられる。

企業の中にいると、果たしてそうか?と感じる記述です。

結局は卵が先か鶏が先かという議論ですが、一企業で働いている者の体感としては、売上高に現れないものの徐々に事業の衰退とともに経営企画部の機能低下が起り、結果として減益という結果になるのではないかと考えています。

 

つまり、企業の増減益が先で、その結果に連動して経営企画部のパフォーマンスが変わってくるものと考えています。逆に日本における事業会社の経営企画部のパフォーマンスが高ければ、もっと経営企画部出身の社長が出てくるはずですが、現実はそうではありません。やはり経営企画部の理想と現実の乖離が大きい企業が多いのではないかと推測しています。

 

ブルーオーシャンな経営企画部の人材市場

こういう結果を見ていると、やはり経営企画部はブルーオーシャンな人材市場だと思います。多くの企業が理想と現実のギャップに苦しんでおり、一方で任せられる人材の供給は圧倒的に不足しています。もっといえば、任せられる人材を創出できるリーダーの不足は絶望的です。

逆にデキる人には大きな仕事が任せられる部署であることも、改めて認識しました。待遇に見合わなくとも、修行だと思って数年は経営企画部のあるべき責務を負うことで、後々のキャリアには好影響を与えるのではないかと思います。個人的には、もっと会計士出身で、経営企画部出身の社長が増えるといいなと思っています。